第185章 栗原家に行った理由

栗原叔父さんは目上の人なので、本来なら挨拶に行くべきだった。

  まして森川北翔と栗原叔父さんの間には……

  彼はちょっと考えただけで同意し、栗原愛南の方を見た。

  栗原愛南はそれを見て彼の側に歩み寄った。

  傍らの栗原井池は思わず咳払いをし、栗原奥様と栗原愛南の対立する立場を思い出し、また栗原愛南が馬上で彼を救ったことを思い出して、つい注意した。「叔父さんは性格が冷たいから、会ったら言葉を控えめにした方がいい。そうすれば叔父さんも君を困らせることはないだろう」

  栗原愛南がちょうどうなずこうとしたとき、森川北翔が言った。「君は行く必要はない。ここで栗原奥様を見ていてくれ」

  栗原愛南は一瞬驚いた。

  栗原井池は驚いて言った。「おい、森川北翔、お前礼儀を知らないのか?叔父さんは一応目上の人だぞ。叔父さんが来たのに、お前の妻をここに置いていくのか?」