これには何て書いてあるの?
最初の文字が2に似ているのはなぜ?
二……婚……男?
紀田杏結はしばらく呆然としていた。
これは何なの?!
こんな名前の人がいるはずがない!
きっと間違っているはずだ、ここの文字は龍飛鳳舞のようで、しかも続け字で、まるで芸術体のようで、全く読めない!
紀田杏結はよく分からなかったので、その乱雑な署名の下に自分の名前を書いて、栗原愛南と森川北翔についてドアの中に入った。
3人が入ると、森川北翔はすぐに人のいない隅を見つけて、静かに周囲を観察し始めた。
前回の栗原愛南が襲われた事件と、南條静佳が正体不明の勢力に拉致された件があってから、彼は今、栗原愛南の安全を非常に心配している。
彼は自分を栗原愛南の足にくっつけておきたいくらいで、彼女がどこに行っても、彼がついて行きたいのだ!