第368話

栗原愛南は、両親の間で一体何が起きたのか知りたくてたまらなかった!

南條静佳が栗原叔父さんに対して感情を持っているのは明らかだった。そうでなければ「生死を分かつまで会わない」などという厳しい言葉は出なかったはずだ。

愛が深ければ深いほど、憎しみも深くなる。

これが彼女が栗原叔父さんと親子関係を認めることを躊躇している理由でもあった。

森川北翔は咳払いをして言った。「それについては、よく分かりません。南條家に関係があるのではないかと推測します。」

栗原愛南は即座に目を細めた。

何か手がかりを掴んだような気がした……

森川北翔は続けた。「あの時、愛南が危害を受けた時、陰謀だと気付いたのに、なぜすぐに私を頼らなかったんですか?」

栗原愛南は一瞬固まった。

森川北翔は更に言った。「紀田葵可との誤解以外に、他の理由もあったのではないですか?」