その言葉に、園長と先生は唖然としました。
二人は一斉に栗原叔父さんの秘書を見つめ、呆然と彼を見ました。
先生は驚いて尋ねました。「何とおっしゃいましたか?」
「彼女がそうだと言っているんです!」
栗原叔父さんの秘書は任命状を園長に渡しました。「今後、幼稚園の理事は南條お嬢様が務めることになります。問題ありませんね?」
園長も呆然としました。
彼女は手にした任命状を開き、任命欄の名前を見ると、確かに愛南という文字が書かれていました。彼女は信じられない様子で栗原愛南を見つめました。
傍らの先生は更に驚いて叫びました。「そんなはずはありません!栗原家がどうして他人を任命するのですか?栗原由奈お嬢様が務めるべきではないですか?なぜ部外者を?」
園長はようやく我に返り、栗原愛南と江口奥様を見つめました。
彼女は呆然と二人を見つめながら言いました。「つまり、あなたたちがここに来たのは私たちに頼むためではなく...」
江口奥様は笑いました。「そうです。私たちは子供たちの入学手続きに来たのです!」
栗原愛南は一歩前に出て、ゆっくりと言いました。「正確に言えば、二人の子供たちの退学通知を撤回しに来たのです!」
園長の目が急に輝き、すぐに頷きました。「問題ありません!今すぐ通知を撤回し、送信済みのメールも全て取り消して、説明のメールを送信します!」
栗原愛南はその先生を見つめました。
その先生はすぐに一歩後ずさりし、それから媚びるように笑って口を開きました。「南條お嬢様、私は...」
「あなたは解雇です。」
栗原愛南はきっぱりと言い切り、彼女に取り入る機会を全く与えませんでした。
その先生は一瞬躊躇してから言いました。「あ、あなたは私を解雇できません。理由がないはずです...」
「子供への虐待、それが最高の理由ではありませんか?」
栗原愛南が彼女の方に一歩近づくと、その先生は慌てて一歩後退しました。
先生は言葉を詰まらせながら言いました。「私は虐待なんてしていません。証拠もないはずです!」
「私にはありますよ!」
栗原愛南が言葉を発する前に、思いがけず園長が口を開きました。彼女は直ちに携帯を取り出してビデオを開くと、その中には先生が江口康介を虐待している映像が保存されていました。