第383章

栗原愛南はもうすぐ23歳になる。

山田楚良はちょうどこの数日、海浜市に人を派遣し、彼女を迎えに行かせることにした。皆にこの噂の大先輩を会わせるためだ。

彼はこの弟子をとても気に入っていた。

山田楚良は几帳面な人物で、掌門になった当時、弟子を取ることは非常に重要だった。結局のところ、山田家の次期掌門を選ぶことに関わるからだ。

しかし、自分の甥や息子、さらには京都から武道を学びに来た子供たちの素質を見極めたが、気に入る者は一人もいなかった。

そのため、何年も時間を無駄にしてしまった。

彼は質より量という態度を貫き、どうしても弟子を取ろうとしなかった。二番目の弟子の大弟子である栗原刚弘は、当時引く手数多だった。

皆、将来栗原刚弘が山田家に婿入りし、山田家の技を継承して次期掌門になるのではないかと推測していた。