第390章

栗原愛南は瞳孔を縮めた。「何を馬鹿なことを言っているの?!」

木村旭は冷たく哼いた。「何が馬鹿なことだ?事実だろう。誰もが知っているさ、お前が内門弟子になるために、完全に狂ってしまったことを。お前が自分から俺のベッドに来て、色仕掛けをしてきたんだ。俺はお前を哀れに思って抱いてやっただけだ。何を演じているんだ?どうした?武道大会の予選を通過して、他の道が開けたから、俺を蹴り飛ばそうってか?」

周りで物を取りに来ていた人々は、すぐにその場に立ち止まって見物し始め、栗原愛南を指さして噂し合った。

「愛南は大人しそうに見えたのに、まさかこんな女だったなんて...」

「人は見かけによらないものね。色仕掛けなんてことができる女が、いい人のはずがないわ」

「...」

外門弟子たちが彼女を非難している時、木村雅が怒って駆け寄ってきた。「でたらめを言うな!愛南はそんな人じゃない。木村旭が彼女を脅して従わせようとしていたんだ。愛南が同意しなかったから、この二ヶ月も来なかったんじゃないか!」

周りの人々は一瞬驚いて、木村旭を見た。

木村旭は嘲笑した。「彼女が二ヶ月以上来なかった理由?当然だろう。俺が抱いてやったのに、内門弟子の枠を用意できなかったからさ。枠があれば、俺自身が行ってるよ。この女は本当に、うちの木村家が何でもできると思ってるんだな。山田家は俺たちが好き勝手できる場所じゃないんだぞ」

木村雅は怒りで顔が青ざめた。「木村旭、愛南の名誉を傷つけるのはやめろ。前から、お前が彼女に求めても断られ続けて、いろいろと難癖をつけて、あれこれやらせて、長老たちに彼女が怠けていると報告して、武道の練習もサボっていると言いふらして、彼女の進歩を何年も妨げてきたじゃないか!」

木村旭は嘲笑して言った。「木村雅、お前なんか傍系の分際で、俺に指図するつもりか?俺の一言で、お前の家族を京都から消せるんだぞ?」

木村雅は嘲笑した。「俺が怖がると思うのか?」

「お前は怖くなくても、お前のお婆さんは怖がるんじゃないのか?」

木村雅は言葉に詰まった。