第558章

斎藤真司はそのメッセージを見て、ため息をついた。

斎藤真司:【聞いてみたけど、お爺さんの娘を見つけても、気持ちは変わらないと言っていた。】

これで栗原愛南は諦めるだろうと思ったが、予想に反して彼女からすぐに返信が来た:【大丈夫、どんなに小さな可能性でも、試してみたいの。】

斎藤真司は彼女がそう言うなら、と返信した:【じゃあ、お爺さんに聞いてみる。】

写真は斎藤お爺さんの私物だし、斎藤真司は確認する必要があった。写真は全てお爺さんが持っていったのだ。

このメッセージを送ってから、彼は階段を上がった。

斎藤お爺さんが出窓に立って外を眺めているのが見えた。

彼らの住む郊外からは、連なる山々が見える。夜になると、月明かりが山頂に降り注ぎ、静かで穏やかな景色を作り出していた。