第581章

この言葉が出た瞬間、その場にいた全員が衝撃を受けた。

皆が信じられない様子で栗原光雄を見つめた。

栗原愛南さえも眉を上げた。

彼女はちょうど話そうとしていたところだったが、栗原光雄が口を開くとは思わなかった。それなら、この五番目の兄が何を言うのか聞いてみよう!

彼女は栗原光雄を見て、今日は頭を使って外出したようで、良かったと思った。

八木珊夏は栗原光雄を見つめ、信じられない様子で口を開いた:「栗原お兄さん、何を言っているの?」

栗原光雄は深く息を吸い、暗い表情で彼女を見つめながら、ゆっくりと言った:「橋本南に謝れ!」

八木珊夏はすぐに叫んだ:「栗原お兄さん!何を言っているの?この人殺し、三叔父さんに毒を盛った人に、なぜ私が謝らないといけないの!」

栗原光雄は苦笑いして:「珊夏、私たちを馬鹿だと思っているの?誰が事後に愛人を雇って毒を盛るの?橋本南だってバカじゃない、事後にお金を渡すなんて、どういう理屈?まるで調べられることを望んでいるみたいじゃない?」

八木珊夏は眉をひそめた:「彼女は昨日事件が発覚して、ここに閉じ込められたから、相手と連絡が取れなかったのよ!それに、毒を盛るような事は、まず毒を盛ってからお金を払うのが当然でしょ!手付金を払ったら、やらないかもしれないじゃない?」

栗原光雄は笑った:「そうね、私があなたに頼んで毒を盛ってもらう時に、何も渡さずに仕事をさせて、それで、あなたが事件を起こして栗原家に閉じ込められているのを知っているのに、お金を振り込んで、証拠を残すことを恐れないわけ?」

八木珊夏は言葉に詰まり、すぐに強情を張って:「相手が彼女と仲違いして、この事を表沙汰にしたかったのかもしれない!彼女にこの罪を被せたかったのかも!」

栗原光雄は彼女を見つめ、目に失望の色を浮かべた:「相手はどれだけバカなの?珊夏、相手はお金を振り込まなければ、何の証拠も残らないのに。この100万円は出所を追跡できるって分かってる?」

八木珊夏は一瞬止まって:「それは多分...」

「もういい!」栗原光雄が口を開いた:「もう十分だ!」