第580章

栗原愛南は即座に浴室の方へ駆け出した。

栗原光雄はまだ躊躇していたが、すぐに言った。「あぁ、妹、橋本南は入浴中だから、逃げてないよ。見に行かなくても...」

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、浴室のドアが栗原愛南に蹴り開けられ、中から驚きの声が聞こえた。

八木珊夏が叫んだ。「妹さん、何をするの?!」

栗原光雄は一瞬固まった。「珊夏?」

彼が浴室に入ると、八木珊夏と家政婦が浴室に立っているのが見えた。彼は驚いて言った。「どうしてここに?橋本南は?」

その言葉を言い終わった時、やっと浴槽の中で水に沈められている橋本南の姿が目に入った!!

栗原光雄と栗原愛南は同時に叫び声を上げ、すぐに前に出て橋本南を引き上げようとしたが、次の瞬間、「ゴボゴボ」という音が聞こえてきた。