第598章

川内美玲は口を開いた。「私について来て」

栗原愛南は彼女の後ろについて行き、二人は一緒に資料室へ向かった。

川内美玲は説明した。「ここの資料室の中のものは、外部への貸し出しができないので、中で見るしかないの」

栗原愛南はその言葉を聞いて、少し戸惑った。「この特務機関って、一体どんな部署なの?」

彼女は以前、こんな部署があることを聞いたことがなかった。

川内美玲は答えた。「私たちの部署は表向き、名門家の確執や争いを処理していますが、実際には奇妙な事件や、神秘的な事象に関する案件を扱っているの」

「神秘的な事象?」

栗原愛南は驚いて尋ねた。「この世界に、本当に科学では説明できないものが存在するの?」

川内美玲はすぐに説明した。「何を考えているの?私たちの社会に幽霊なんていないわ。21世紀よ、どうしてそんなことを考えるの」