第715章

栗原愛南と森川麻理亜の二人も呆然としていた。

二人は慌てて叫んだ。「おばあ様!おばあ様!」

栗原愛南と森川北翔が駆けつけてきた。

森川北翔は何も言わず、すぐに二人を押しのけ、震える手でおばあ様の鼻先に手をかざした。

確認する勇気が出なかった。

試すことさえ怖かった。

手が震え、目が徐々に充血してきた……

目の前のすべてがぼやけてきた時、心を落ち着かせる声が耳に入ってきた。「おばあ様は大丈夫です。」

森川北翔は意識が一瞬で戻ってきたように感じ、横を向くと、栗原愛南がおばあ様の脈を取っており、真剣に診察していた。

明らかに脈を感じ取るとすぐに彼に伝えたのは、彼が心配するのを恐れてのことだった。

森川北翔はほっと息をつき、やっとおばあ様の鼻先に手をかざし、呼吸を確認すると、ようやく安堵した。