第753話

「早く話して!雰囲気もここまで盛り上がってるんだから!」

斎藤愛南は誰も口を開かないのを見て、急かした。

小島愛絵:「……」

斎藤愛南は直接小島早絵に向かって言った。「もう、彼が話さないなら、あなたが話してよ!一体どうなってるの?どんなクズ男に会ったの?あなたたちの間に、どんな恋愛ドラマがあるの?みんな姉妹なんだから、話せないことなんてないでしょ?」

彼女に完全に無視された森川北翔と小島愛絵:??

しかし、斎藤愛南のこの態度が、小島早絵の言いづらさを少し和らげた。そうだ、間違っているのは他人なのに、なぜ自分がここで悩まなければならないのか?

彼女は直接口を開いた。「私には彼氏が...いえ、彼氏とは言えないかも。私が追いかけている男性がいて、彼は私の家政婦を買収して、私を殺そうとしたの。私が加入している傷害保険の受取人が彼だから」

「バリッ!」

斎藤愛南はヒマワリの種を吐き出した。「あなたが追いかけている男性...まだ付き合ってもいないのに、保険金の受取人に彼を指定したの?つまりあなた、完全なる追っかけじゃない!」

小島早絵:?

その言葉はなんて耳障りなんだろう!

反論したかったが、口まで出かかった言葉が言えなかった。詰まってしまい、突然その言葉が今の自分の状態を的確に表していることに気づいた。

彼女は目を伏せた。

「ねえ、一体どうしちゃったの?若くて綺麗で、家柄もいいのに、なぜわざわざ人の追っかけになるの?」

斎藤愛南は質問を続けた。

小島早絵は俯いたまま答えた。「だって、彼は昔私の命を救ってくれたから」

「なるほど、心的外傷後ストレス障害ね。医学界でいうPTSDよ。命を救われて、その人を救世主だと思い込んで、制御不能なほど恋に落ちちゃったの?」

斎藤愛南は栗原愛南の方を向いた。「昨日愛南があなたの命を救ったけど、あなたも彼女に恋をしちゃうの?だって恋愛に性別は関係ないでしょ!」

小島早絵:「……」

隣の栗原愛南は口角を引きつらせながら:「変なこと言わないで」

「私は変なこと言ってないわよ。森川さんが可哀想になってきたわ。小島家の兄妹、お兄さんだけじゃなく妹まで警戒しなきゃいけないなんて?まあ、森川さん、あなたのライバルは多いみたいね!」

森川北翔:「……私が最も警戒すべき人は、むしろあなたでは?」