謎の贈り物

しばらくして、墨野宙が夕食を作り終え、階段を上がってドアを開けると、天野奈々がバラの花を抱えてベッドに座っていた。彼女は何本あるのかを数えており、頬は赤らんでいた。薄い唇が開いたり閉じたりして、とても魅力的だった…

「こんなにたくさんの花をもらったのは初めてよ!」天野奈々は嬉しそうに感嘆した。「宙、本当に驚いたわ…」

墨野宙は彼女の満足そうな様子を見て、腕を組んで上から彼女を見下ろした。「なぜあなたはこんなに簡単に喜ぶの?たかが数本の花で、こんなに喜んでしまうなんて。私にはあなたに渡したいものがたくさんあるのに、あなたは自分の欲しいものを一度も言わない。なぜ他の女性のように、ダイヤモンドやジュエリーを欲しがらないの?それとも、名声や…成功を求めないの?」

天野奈々は軽く笑い、顔を上げて墨野宙を見つめながら答えた。「私はあなたの全てを手に入れたわ。私はまだ欲張りじゃないの?」

「あなたとの結婚、妻という称号、あなたの財産の半分、そしてあなたの人生の後半も全て手に入れたわ。ジュエリー?成功?これらは私自身で手に入れることもできるし、それに、あなた以上に価値のあるものなんてあるの?」

墨野宙の心が揺れ動き、すぐに身を屈めて天野奈々にキスをした。「口が甘すぎる。食べたくなってしまう」

天野奈々は墨野宙の肩に手を回し、情熱的なキスに真剣に応えた。唇と舌が絡み合う間に、二人は思わずベッドに倒れこんでいた。天野奈々はすでに墨野宙に押し倒されており、上着も脱がされて床に投げ捨てられていた。これらの出来事は、ほんの数十秒の間に起こったことだった。

天野奈々は抑えきれず、もっと求めたくなり、同じように手を伸ばして墨野宙のシャツのボタンを外し始めた。古銅色の肌が彼女の目の前に露わになったとき、天野奈々の頬は紅潮し、思わず顔をそむけた。

墨野宙は軽く笑い、天野奈々の首を握って視線を戻させ、優しく尋ねた。「欲しいの?」

「あなたは?」天野奈々は賢明に問い返した。