締め出された

翌日の朝、Secretマガジン本社にて、天野奈々は7時半には受付の案内で、Secretの会議室で待機していた。冬島雪たちより30分も早く到着していた。

しかし、雨野柔子は天野奈々がまだベッドで寝ていると思っていた。

ところが、彼らが会議室に到着したとき、天野奈々はすでにそこで長時間待っていた。

冬島雪は少し驚いた表情を見せた。元々、天野奈々が9時に到着すれば、会議室に入れないだろうし、彼女が意図的に会議の時間を遅く伝えたことも知らないだろうと思っていた。しかし、今、天野奈々が早めに到着したことで、彼女が天野奈々を排除しようとした目的は、天野奈々もおそらく理解したであろう。でも、それがどうした?彼女がこのイベントの企画者なのだ。彼女の思い通りにできる。他の人には、口を出す余地はない。

「天野さん、こんなに早く来て何をするつもり?」雨野柔子は鼻を鳴らした。どうやら、冬島雪の計画は天野奈々に影響を与えていないようだ。

「友達が道順だったので、出勤途中に送ってくれただけです。」天野奈々は相変わらず落ち着いて説明した。

「もう話はやめましょう。会議がすぐに始まります。」冬島雪は二人に静かにするよう促した。

その後、Secretの責任者が会議室に入ってきた。40代くらいの中年女性で、後ろには2人の助手がついていて、常に分厚い書類の山を抱えていた。

「雪さん、この二人のモデルの資料は見ました。」その女性は天野奈々と雨野柔子を一瞥してから続けた。「でも、彼女たちのうち一人だけを選びたいんです。みなさん時間が貴重なので、遠回しな言い方はやめましょう。私は雨野柔子を選びます。天野奈々というモデルは、私たちの撮影テーマにあまり合っていません。」

相手は直接天野奈々の履歴書をテーブルに投げた。