第184章 心身ともに煎熬

「JKはトップブランドよ。断る理由なんてないでしょ?」天野奈々は軽く笑いながら言った。「でも、今回彼女がこんな素晴らしい機会をくれたってことは、きっと簡単なことじゃないものを求めてるはずよ」

「気をつけて対応します」安藤皓司は言った。「早く時差ボケを直してください。これからの仕事はかなりハードになりますから」

安藤皓司が去った後、天野奈々はベッドに横たわって目を閉じた。疲れているはずなのに、頭はどんどんクリアになっていった。

ここは国際的なランウェイだ。以前の小さなブランドのショーとは全く違う。

もし本当にJKのオープニングを歩けたら、もっと多くの国際的なリソースを掴むことができるはず。

そして彼女と墨野宙の間には、まるでその一歩の差があるようだった……

あるいは心が通じ合ったのか、墨野宙からまた電話がかかってきた。天野奈々は携帯を手に取り、思わず笑みがこぼれた。「どうして私があなたのこと考えてるって分かったの?」