ExcaliburQの責任者は、一瞬のうちに決断を下せず、最終的に選考グループ全員に投票させることにした。
実は彼自身は天野奈々寄りだったが、ExcaliburQは彼一人で決められるものではなく、支持者を得て初めて上層部を説得し、知名度で橋本ことに劣る天野奈々を起用できるのだった。
選考グループのメンバーは二人の作品を評価し、最終的な総合点では橋本ことがリードしていた。選考グループは最後に意思表示の投票を行い、全7人中4人が橋本ことに、3人が天野奈々に投票した。
スタンソンは結果を見て眉をひそめた。より多くの人が橋本ことに投票すればするほど、この結果に抵抗を感じたからだ。
まるで、かつてExcaliburQが悪意ある競争に遭遇した時の無力感と圧迫感を見ているようだった。
最後に、スタンソンは結果を置き、グループのメンバーを見渡して真剣に言った。「最後に一言だけ言わせてください。これを聞いても皆さんの意見が変わらないなら、すべて結果通りに決定します。」
「どうぞ、おっしゃってください。」
「天野奈々はExcaliburQと同じ人生の軌跡を歩んでいます。彼女以上に高低起伏や歴史の継承を理解できる人はいません。私はExcaliburQのイメージアンバサダーには、人気や自尊心を誇示するのではなく、ストーリーと内容が見て取れる人であってほしいのです。」
言い終わると、スタンソンは再び全員を見渡し、「では、第二回投票を行います。」と告げた。
このような競争は本当に激しく、雰囲気も緊張感に満ちていた。結局のところ、ExcaliburQはイメージアンバサダーの選択に常に慎重だったのだ。
10分後、第二回投票が終了し、助手が結果を発表した。天野奈々が7票、橋本ことは0票だった。
実は、他のメンバーも天野奈々を推していたのだが、面子を保つためにあまり口に出せなかっただけだった。しかし、スタンソンが態度を明確にし、彼の意図を理解すると、皆すぐに自分の好みを選んだのだ。それは単に、ExcaliburQで何年も働いてきたからというだけではない。
名声や金銭以外に、彼らにも一つの情熱があったのだ……