丸二日間、村上隼人はネズミのように暗い隅に隠れ、怪我を治療できず、病気も治せずにいた。
山本修治の事件が爆発した後、ジャーナリスト業界全体、パパラッチ界隈も影響を受けた。
今や彼は、J-KINGや海輝、ファン、芸能人から逃げるだけでなく、最も重要なのは同業者からの攻撃を避けることだった。彼のせいで、同業者の日々がより困難になったのだ。
誰かが退屈しのぎに、村上隼人が隠れている写真をネットに投稿した。中村さんはそれを見て笑い、天野奈々に渡した。「このクズの末路を見てみな。」
天野奈々は携帯を受け取り、さっと一瞥した後、中村さんに言った。「私と佐藤あおいの名義で彼にお金を送る人を見つけて…」
「天野…」中村さんは天野奈々のやり方が理解できず、この人でなしを殴り殺さないだけでも十分なのに、なぜお金を送るのか?
「敵から施しを受けることが、彼をより苦しめると思わない?肉体的な苦痛よりも、心を打ち砕くことこそ…憎しみを完全に消し去る方法なのよ。」天野奈々は俯いて言った。村上隼人に同情する点は全くなかった。彼は能力のある人間だからだ。
中村さんは慎重に考えた後、自分が羞辱され、強制的に土下座させられた時のことを思い出した。死んでしまいたいと思ったあの気持ち。突然、天野奈々のやり方が理解できた。
「あなたはすごいわ!」
そして、ある夜、キャップを被った男が村上隼人のオフィスに入り、彼のそばに清潔な服、食べ物、薬、そして一枚の名刺を置いていった。
村上隼人は半死半生の状態でこれらのものを見たが、他のものには気を留めず、彼の目にはただその服一式と名刺だけが映った。
誰も落ちぶれたときに、あなたの尊厳まで気遣ってくれる人はいない…
これを見て、村上隼人の心の中の後悔と羞恥は、二本の麻縄が強く絡み合うように彼を完全に居たたまれなくさせた…
この夜、村上隼人はその服をじっと見つめ続けた。夜明け近くになってようやく、暗闇の中から携帯を見つけ出し、名刺の電話番号をダイヤルした。
「もしもし…村上隼人です…」