第322章 夜はとても辛くなるわよ！

バリ島のKayumanisNusaDuaで、山本修治と深水藍華のビーチウェディングと、温かくロマンチックなキャンドルライトディナーが開催されます。

　　夕暮れ時、海輝のアーティストやメディアがすでに早めに到着していました。メディアは入場の際に心のこもった大きな贈り物を受け取るため、歓迎の宴席では大々的な報道はせず、適度な撮影のみで、ゲストがリラックスして楽しめるようにしていました。

　　実際、メディアがこれほど規則を守っているのは、入場時に機密保持契約に署名したからです。独占したい、入場したい、他の人が知らないことを知りたいなら、すべて山本修治の計画通りに進める必要があります。

　　もちろん、山本修治が用意した「お土産」も非常に気前が良く、メディア記者たちは皆、笑みを抑えきれないほどでした。

　　夜になると、トロピカルな雰囲気漂うホテルからバイオリンの優雅な音色が聞こえてきました。熱帯雨林のようなオープンエアの会場には、現在のトップスターたちが集まっていました。山本修治はシルバーのオーダーメイドスーツを着て、胸にバラの花をつけ、クリーム色のレースのロングドレスを着た深水藍華の手を取っていました。二人は天地創造のように、幸せに満ちた素晴らしいカップルに見えました。

　　彼らはずっとゲストに挨拶をしていましたが、墨野宙と天野奈々はまだ到着していませんでした。

　　「ねえ、どうせ墨野社長もまだ来てないし、提案があるんだけど、新郎になる人に、いつ新婦に心惹かれたのか話してもらって、雰囲気盛り上げない？」遊び好きなアーティストが、新郎新婦になる二人に大声で言いました。すると突然、会場は熱烈な拍手と、からかうような口笛の音で盛り上がりました。

　　二人は階段の上に立ち、深水藍華は少し恥ずかしそうに山本修治の腕の中に隠れました。その後、山本修治が笑いながら言いました。「僕の妻は照れ屋で……」

　　「彼女のことはいいから、あなたの話をして。」ゲストたちが口々に言いました。

　　山本修治は深水藍華を見下ろし、さらに抵抗しました。「こんな大事なことは、まず妻に一人で話すべきで、どうして皆さんに得をさせられますか？」

　　「お嫂さん、今日隠れちゃったら、意地悪だよ！」