第612章 清水星華

安藤皓司は住所を頼りに探し当てたが、インターホンを壊れるほど押しても中から反応がなかった。そのとき、足音が聞こえ、振り向くと、マスクをした女性を支える少女の姿が目に入った。

少女も明らかに彼に気付き、老婦人を放り出して逃げ出した。

今回、皓司は追いかけずに、少女に向かって威嚇した。「おい、お嬢ちゃん、この人を放っておくのか?」

少女は振り返って一瞥し、老婦人に向かって言った。「ママ、自分で何とかして...」

そして、本当に放り出してしまった...

皓司はこの少女がどれほど野性的なのか思い知らされたが、そのとき老婦人が笑いながら言った。「申し訳ありません。私の娘が何かご迷惑をおかけしましたか?」

皓司は相手をじっくりと観察し、マスクは意図的に着けているわけではなく、顔に凸凹した傷跡があるようだと気付いた。