第768章 この競争、刺激的でしょう?

すぐに、この動画は高い再生回数を記録し、注意深いネットユーザーは、動画をクリックすると『法醫學皇妃』の公式ページに飛ぶことに気づいた。

公式ページはもはや生気のない状態ではなく、以前は男性主人公がシルエットで疑問符が付いていた場所に、今では木村いずみの劇中写真が掲載されていた。

そう、木村いずみの劇中写真だ!

そして写真の右上には、加工された古風な書体で、木村いずみの演者——墨野宙と記されていた。

「私、発狂しそう!原作にここまで忠実な演者を見たことがない。墨野宙くん本当にかっこいい。特に鎧を着た姿は、威厳があって、なおかつ心配になるの!」

「問題は、墨野宙は演技ができるのかってことよね?」

「演技なんてどうでもいいわ。画面に立っているだけで、動かなくても80話分見られるわ」

「『法醫學皇妃』いつ放送するの?木村いずみが見たい、すごく楽しみ!」

「こんなにドラマに心を揺さぶられたことない。海輝さん、早く放送日を発表して。それか、予告編でもいいから…」

「本当に素晴らしい。動画での天野奈々と墨野宙は、まさに私たちが求めていた風子と木村いずみ。あの雰囲気が最高!」

……

視聴者の反響は非常に大きく、特に若者たちの間で、この動画を見た人は皆、わずか10秒ほどの映像に魅了されていた。

それに伴い、若者たちは『法醫學皇妃』の情報を探り始め、定時にテレビの前で待機する人は自然と減少していった。それでも、白川結は自分のドラマに対して絶対的な自信を持っていた。

「たかが短い予告編一つで、どれほどの波紋が広がるというの」

確かに、短い動画一つでは大きな波紋は起こせないかもしれない。しかし翌日、『邪悪な妃』の視聴率が発表されると、業界は大きな衝撃を受けた。

放送開始時は視聴率2%を超えていたのに、2日後には1.4%で1.5%にも満たなかった。『法醫學皇妃』がたった10秒の動画を公開しただけで、『邪悪な妃』は視聴者の半分近くを失ったのだ。

墨野宙が木村いずみを演じることについて、業界全体が衝撃を受けていた。

誰も墨野宙が演技をすることを想像していなかったからだ!

多くの専門家は、墨野宙の演技力を疑問視していた。

しかし、天野奈々だってモデルから転身したではないか?