後ろめたいことをしていない人は、幽霊が来ても怖くないが、高橋姉帰は後ろめたいことをしたから、防犯カメラを確認されるのが怖かった。
傍に立っていた高木朝子も慌て始めた。彼女は全ての経緯を知っているので、防犯カメラを確認されれば問題になることは分かっていた。
高橋進は高橋敬一に指示した「防犯カメラを確認してください。」
高橋姉帰は濡れた体も気にせず、急いで高橋敬一を引き止めた「お兄さん、私も一緒に行きます。」
彼女の声には慌てた様子が混じっていた。
高橋進の目が厳しくなった。
高橋姉帰は慌てて弁解した「私はただ好奇心で、彼女が私をどうやって押したのか知りたいだけです。」
嘘ばかり!
池村琴子は箱を抱きながら、赤い唇を曲げて艶やかに笑った。「服も着替えずに防犯カメラを見に行くなんて、高橋さんの好奇心は本当に強いのですね。」