その言葉を言い終えると、彼は高橋敬一を見つめ、重々しい声で言った。「監視カメラの映像を出してくれ。見せてもらおう」
高橋敬一は黙り込み、高橋姉帰も青ざめた顔をしていた。
「お父さん…」
二人の反応を見て、高橋進は心の中の推測がより確かなものとなり、ひどく不機嫌な表情を浮かべた。「馬鹿な真似を!お前たちは自分が何者だと思っているんだ?事実を無視して人を陥れるなんて、私がそんな教育をしたか?」
池村琴子は興味深そうに高橋進を見つめていた。
さっきまでは高橋家の人々は皆同じ穴の狢だと思っていたが、まさか高橋進が自分の味方をしてくれるとは。
高橋進が怒っているのを見て、高橋姉帰は目を潤ませた。「お父さん、兄さんを責めないで。私が頼んだことなの」
彼女は慌てて涙を拭い、涙の粒が頬を伝って落ちていった。