このまま放っておいたら、山本社長が目を覚ました時に責められるのではないか?
秘書がもう少し言おうとしたが、高木朝子は苛立たしげに彼を外に押し出し、「バン」と音を立てて扉を閉めた。
彼は茫然と階段を下りながら、ふと一人の人物を思い出した。
秘書から電話を受けた時、池村琴子はデザインの練習を終えたところで、水を飲もうとしていた……
「池村さん、山本社長を助けてください。彼が強姦されそうなんです。」
「ぷっ!」池村琴子は口に含んだ水を吹き出してしまった。
なんとも衝撃的なニュースだ!
「誰に?男?女?どのくらい続いてるの?」
秘書は咳払いをして:「まだそこまでは……」
「じゃあ早く警察に通報すればいいじゃない。なんで私に電話してるの。」
「えっと……山本坊ちゃんを襲ったのは他でもない、高木さんなんです……山本坊ちゃんは酔っ払って意識がない状態で、このままだと高木さんに手を出されてしまいます。」