「はい、この組織は私が管理しています」池村琴子は高橋謙一に安心させる薬を与えた。
三兄なら信頼できる、全部話しても構わない。
この組織が彼女の管理下にあると聞いて、高橋謙一は心底驚いた。
妹が並の人間ではないとは思っていたが、まさかこの組織を管理しているとは。
妹がこの組織のリーダーの一人だと想像はしたが、最高指導者とまでは考えられなかった。そんなのは突飛すぎる。
「もう隠れる必要はないね」高橋謙一は笑いながら自分の鍵を取り戻した。「ただ、家には余計な人が多すぎるから、後で対応が必要かもしれない」
そう言って、彼は中を指差した。「中にはたくさんの人がいて、父さんが待ってるよ」
池村琴子は眉を上げた。想像するまでもなく、今日の高橋家は落ち着かないだろう、数日は賑やかになりそうだ。