第199章 警察署での真実

いいえ……

彼女はあらゆる動画を探し、当時の場面を思い出してみたが、彼の姿は見つからなかった。

確かに鈴木哲寧と一緒にいるのを目撃したはずなのに、現場でも動画でも、その人物を見つけることはできなかった。

まるで幻のように、一瞬にして消え去ってしまった人物だった。

彼女はベッドに横たわり、一晩中眠れなかった。

未明、鈴木家のリビングは明るく照らされていた。

鈴木母さんはリビングを行ったり来たりし、不安と焦りに駆られていた。

鈴木雅夫はソファに座り、顔色は土気色で、何個もグラスを投げ捨てていた。

「あなたの育てた息子はなんてことを!」

昨夜早く寝たのに、真夜中に警察から電話があり、哲寧が男性30人を呼び出し、売春取締りの警察に現行犯で逮捕されたと言われた。

「女遊びならまだしも、男と遊ぶなんて、しかも一度に30人も!」このニュースを聞いた鈴木雅夫は、その場で倒れそうなほど激怒した。