第382章 殺しても殺しきれない木村誠治

木村誠治は黙ったまま、目を細めて小林悦子を見た。

彼は二人が通りすがりの大学生だと思っていたが、まさか鈴木愛の知り合いだとは思わなかった。

通行人なら簡単に対処できたが、相手が鈴木愛を知っているとなると、この件は厄介になった。

木村誠治が動かないのを見て、小林悦子の心臓は太鼓のように鳴った。

相手の性格も知らないのに軽率に行動してしまい、言葉を発した後、急に恐ろしくなった。

小林悦子のルームメイトは車の中の人を知らず、小林悦子が前に出たのを見て、冷や汗が出た。

最近のニュースでは変態殺人事件が多く報道されている。この男性はイケメンで変態には見えないが、口封じのために殺人を犯す可能性もある。

「悦子ちゃん...」彼女は小林悦子の袖を引っ張った。

小林悦子はルームメイトを見て、指を強く握りしめた。