第381章 私は彼女を知っている

池村琴子の瞳孔が震えた。「二人がどうして……」

「あの時の師匠の件は山崎三郎も知っていて、二人が手を組むのを恐れていた。山崎三郎がその女に会いに行こうとしたが、私の部下に止めさせた」

「山崎三郎は今どこに?」

「東京ホテルにいる」

池村琴子は目を細めた。「連れて行って」

前回の横山紫の件以来、彼女は意図的に山崎三郎を遠ざけ、任務も与えず、実質的に権限を剥奪していた。

山崎三郎も古参だと考え、彼を罰することはせず、面子を立てていた。

しかし山崎三郎はそうは思っていなかった。

松田柔子と木村爺さんの所業を思い出し、池村琴子の表情が冷たくなった。

「行きましょう、山崎三郎とじっくり話し合わないと」

山崎三郎の記憶の中で、彼女はただの若造で、どの面でも自分には及ばなかった。