第383章 慌てて道を失う

「隊長、これからどうしましょう?」

近籐正明も初めてこのような事態に遭遇し、一瞬途方に暮れた。

経験はなくても分かる、鈴木愛のこの状態は、明らかに……

池村琴子は表情を曇らせ、木村誠治を睨みつけた。

木村誠治はその場に立ち尽くし、少し奇妙な表情を浮かべながら、山本正博を一瞥し、拳を握りしめた。

自分の車が山本正博に完全に支配されているなんて、殺されるよりも辛かった。

「彼を警察署へ連れて行きましょう」

池村琴子は木村誠治の獣のような行為を思い出すと、怒りが収まらなかった。

前回の高木阿波子の件でも木村誠治が本気だったと疑っていたが、今日の出来事で、もうこの変態を見逃すつもりはなかった。

通報すると聞いた木村誠治は口角を上げた:「池村さん、私は何もできていませんよ。一体何を恐れているんですか?」