第372章 足を引っ張る

この結果を考えると、松田柔子は怒りで煮えくり返った。

なんて高橋仙だ、わざとここで罠を仕掛けたのね!

この時の彼女も言いたいことが言えなかった。結局、誰も彼女に高橋仙のパソコンにハッカーを侵入させろとは言っていない。これは私的な行為で、自業自得としか言えなかった。

「この高橋仙、なかなかやるな」木村爺さんは目を細め、意味深な口調で呟いた。

このコンテストは国家レベルではないものの、民間のコンテストとしては十分な規模で、異なる国の間でも勝負への執着心があった。

高橋仙は今回、まさに輝かしい活躍を見せた。

彼女の現在の立場も相まって、高橋家と鈴木家への好影響は明らかだった。

「高橋グループと鈴木グループの株価が上がっている」

木村爺さんは携帯を開き、この二社の株価が急上昇しているのを一目で確認した。