他の参加者たち「……」
「皆さんが諦めてしまうと、私の勝利に価値がなくなってしまいます」池村琴子は茶目っ気たっぷりに唇を上げ、物憂げな口調で言ったが、それが人の心をくすぐった。
「W」組織の人間は、みんなこんなに自信に満ちているのか?
「私に勝てるとは限らない」という言葉を聞いて、参加者たちは勝負心に火がついた。
彼らは元々優勝を目指してきたのだ。それぞれが企業や自分の街の代表として、優勝して国の名誉を高めたいと思っていた。
大局的に見れば、国益を重視し、「W」組織の実力者に国際選手と戦わせた方が勝利の確率は高いだろう。
しかし彼らは、自分たちもかつて夢を抱いてここに来たことを忘れていた。
このように退くのは、あまりにも臆病すぎる。
「あの、お名前は?」小柄な女の子の一人が好奇心いっぱいの表情で尋ねた。