「近藤金山さんが心筋梗塞で、東京第一病院で救急治療中です。ご親族の方はお早めに病院で手続きをお願いします。」
「はい、すぐに行きます。」
近藤正明は電話を切り、ベッドから降りようとした瞬間、四郎に手で止められた。
「正気ですか?自分の体の状態も分からないんですか。医者は足の骨折で、しばらく動けないと言ったじゃないですか。」四郎は不機嫌そうに彼を睨みつけた。「何かあれば私がやりますから、あなたはゆっくり休んで、みんなに迷惑をかけないでください。」
近藤正明は首を振った。「車椅子を持ってきてくれ。自分で行きたい。」
近藤金山は年老いており、ちょっとしたことで大事になりかねない。
昨日、彼は近藤金山に自分のインタビュー生放送を見せたが、予期せぬことが起きた。
「分かりました。聞いてきます。」四郎は説得を諦め、イライラしながら部屋を出た。ドアの前で急ブレーキをかけ、目を丸くして「社長?」