別荘……
池村琴子の頭の中に、先ほどの抑えきれない場面が浮かび、すぐに理解した。
男は好きな女性の前では自制が効かないと言うが、まさか本当だったとは。
「あの……山本正博」琴子は彼の親指を軽く握り、「夜にはオークションがあるし、展示品も見たいから、私たち…後で…」
「後で、何を?」
山本正博は低い声で、明らかにわかっているのに聞き返した。
池村琴子の顔が一瞬で真っ赤になった。
山本正博は彼女の困った様子を見て、下腹部の熱さを抑え込んだ。
「これからの日は長いから、急がない」
彼の低い声は水のように柔らかかった。
池村琴子の顔はさらに赤くなった。
二人が小さな寝室から出てきた時、松田柔子はすでに山口念たちと賭けを交わしていた。
池村琴子を見た瞬間、山口念は興奮して近づいてきた。「いいニュースがあるわ」