第463章 彼ではない

高橋敬一の言ったことは、ちょうど彼に気付かせた。

南條家が最近誰かを怒らせたとすれば、山本正博以外にはいないだろう。

木村家の人間が動いたのなら、山本正博が一体何をしようとしているのか聞いてみたい。

ドアベルを何度か押すと、ようやく誰かが出てきた。

「何しに来た?」

南條夜を見て、山本正博は不機嫌な顔をした。

ここは元々静かな場所で、他の人は彼がここに家を買ったことを知らなかった。それなのに、二日連続で来るべきでない人が来ている。

おまけに、彼と池村琴子の「いいところ」を邪魔された。

山本正博が不機嫌そうに自分を見ているのを見て、南條夜は笑いながらこの家を見回した。「ここは一寸の土地も金なりと聞いていたが、金があっても必ずしも買えるわけではないと聞いていた。まさか君が買えるとは」