第542話 結果を待とう

誰が彼女にこんな勇気を与えたのか、渡辺家族か?

下座の渡辺義広は針のむしろに座るように落ち着かず、顔には虫が這うような不快感が浮かんでいた。

このバカ女め、紙の上の文字が少ないからといって、もう少し話せないのか?どうしようもないなら、前の山本正博の計画を真似てもいいじゃないか!どうしてそのまま読み上げて、終わりと言うんだ?

後ろ盾があるとしても、このチャンスを手渡されても受け止められないだろう!

自信満々で挑戦に上がって、たった五言で終わるなんて、これは渡辺家族の面子を地に落として踏みつけているようなものじゃないか?!

同じように困惑していたのは高橋姉帰で、彼女は壇上に立ったまま、雷に打たれたかのようだった。

恥ずかしいか?

とても恥ずかしい!

下座の高橋謙一は彼女を横目で見て、口角が耳まで上がりそうだった!