「恋ちゃん、オーディションで芸能人にたくさん会えるんでしょう!次の審査は何をするの?私も入れてもらえない?竜川尚と白井景に会いたくて仕方がないの!私、二人のファンなの。それに秋山花先生も本当に美しいわ」
福田桐子は福田嘉のたわごとなど気にも留めなかった。今や福田家に嫌悪感しか抱いていなかったからだ。福田のお婆様にとって、家族の中で人間扱いされているのは福田鐵と福田元だけで、他の者など目に入れていなかった。
あの日聞いた件については...既に調査を依頼している。もし本当だとすれば、あの毒婦には必ず代償を払わせてやる。
「ええ、会えますよ。次の審査内容はまだ分かりませんが、みんなダンスだと予想して猛練習しているところです」なぜか、加藤恋は福田桐子の敵意が少し薄れたように感じた。