第262話 第3ラウンド開始

「今さらそんな綺麗事を言って何になるの?葉野言葉は今朝まで何ともなかったのに、隣人として今の状態になった理由を説明できるんじゃない?」温井詩花は安藤奈々がぶりっ子だろうが何だろうが気にせず、彼女の横に立って大声で詰問した。

「あなた...本当に冷血な人ね。ゴちゃんがこんな状態なのに、まだ喧嘩するなんて。きっと彼女は友達同士が喧嘩するのを見たくないはずよ。」

「私たち全員が何が起きたのか知りたいの。言葉が無理由でパニックになるはずがないし、私が駆けつけた時には、彼女はもう気を失っていたわ。」言葉の呼吸が落ち着いてきたのを確認して、加藤恋はようやく安堵の息をつき、スタッフが彼女を医務室に運んだ後、安藤奈々との対峙に加わった。

安藤奈々は急いで涙を絞り出し、哀れな声で二人に言った。「そんな風に言うってことは、私が言葉に何かしたと疑ってるの?もし私がスタッフを呼ばなかったら、言葉は危なかったのよ。」