276 コンテストの曲選び

二人が階下に着いた時には、すでに進級した10人しか残っていなかった。温井詩花は一目で野木早香を見つけ、彼女の怒りは全く隠せていなかった。「冗談じゃないわ。こんな人がまだいるの?曲を盗作して、自分のものじゃない服を着て?選考は人格を見ないの?」

「でたらめを言わないで!証拠があるの?」野木早香は立ち上がって自己弁護したが、実際彼女が進級できたのは、家族が多額の費用を払ったからだった。

「もういい加減にしなさい!今回の撮影で進級した人は全員ここにいます。では、雑誌の表紙を飾る人を発表します——加藤恋さんです!」

番組スタッフは見本誌を取り出し、皆の前に置いた。この結果は誰も予想していなかった。『ELVA』はセクシーさで知られており、ネット投票で最も票数が多かったのは夏川晴海だった。加藤恋は今回意外な展開だったが、甘さのある路線を選び、セクシーさの中に甘さも混ざっていた。一部のネットユーザーは彼女のプライベートな問題で意図的に投票しなかったほどだった。