332 新しい『望花』

この時、加藤恋は曲の創作に没頭していて、どれだけの人が彼女に対抗しようとしているのか全く知らなかった。

竜川尚は躊躇なく準備室のドアを開けた。「最近ゴシップが多いのは知っているが、今一番大事なのは公演の準備だ。このままでは一人一人がリハーサルをステージでやることになるぞ。早く選曲カードをしっかり書いて、順位順に私に提出しろ。」

温井詩花は竜川尚に向かって舌を出し、その後選曲を提出した。最後の加藤恋が選曲を提出した時、竜川尚の表情が突然とても奇妙になった。

選曲カードには「望花」という二文字がはっきりと書かれていた!

加藤恋は向井栞が残した遺書を読み、録音を聞いて以来、これから何をすべきかを確信していた。トップ3に入れるかどうかに関係なく、母の声をより多くの人に聞いてもらいたかった。