「なんてすごい熱気なの!私まで感動しちゃう!」
「温井詩花は本当に転んじゃったの?痛そう……」
「本当にプロフェッショナルね。最初は高橋綾子のパフォーマンスが良いと思ってたけど、やっぱりプロの歌手は違うわ。それに今見てたら、温井詩花は映画にも向いてると思う。」
観客席は温井詩花の感動的なパフォーマンスに影響され、次々と立ち上がり、最後のフレーズを一緒に大声で歌い出した。
お母さん、見てる?私は自分で答えを見つけられるの。自分の人生の扉を開いて、どんな歌手になりたいのか、自分で選べるの。
ステージ中央で一脚の椅子がゆっくりと上昇する。鉄の玉座をモチーフにしたデザインだ。
「誰も、誰も経験したことのない道。私は自分の道を歩んでいるだけ……」
「詩花!詩花!」
「かっこよすぎ!お姉さん大好き!」