351 深井陽菜が脳卒中になる

この結果を彼女は絶対に受け入れないだろうと思い、福田のお婆様は涙を流しながら、哀願するような口調で言った。「齋藤秘書!齋藤秘書、お願いです。この年寄りの私のことを考えて、唐沢社長に一言お願いしてください。私たち福田家は、セイソウリキに対して何も悪いことはしていません。むしろ、両家の協力関係を促進したのは私たちでした。今の福田家の状況で、あなた方は私たちを見捨てることはできないはずです。この年寄りの私には、このような仕打ちに耐えられません!」

「その通りです。このような状況で、あなた方のような大企業が私たちを見捨てるわけにはいかないでしょう。もしこの噂が広まれば、御社の評判にも良くないはずです」と福田鐵は再度、セイソウリキの名声への影響を強調した。

齋藤秘書は、深い悲しみに暮れる福田のお婆様をちらりと見ただけで、冷淡な表情で言った。「これは我が社の取締役会の決定です。現時点では取引停止を申し出ているだけで、業界全体での取引停止までには至っていません。これも福田夫妻への配慮があってのことです。唐沢社長は皆様の悪質な行為を直接目にしました。そこで一言申し上げます。『セイソウリキは廉恥を知る者とのみ取引をします。あなたのような年甲斐もなく、このような人間を育て上げた方との取引は相応しくありません』」

言い終わると、齋藤秘書は弁護士に合図を送り、内容証明を机の上に投げ出し、そのまま立ち去った。

「そうそう、社長がもう一つ言っていました。もし福田隼人夫妻への嫌がらせだけでなく、当社のマーケティングマネージャーである秋山心への嫌がらせが発覚した場合、福田元氏にも制裁を加えることになるでしょう」

「ちょうど良いタイミングですね」と秋山心の声が入り口から聞こえ、ハイヒールの心地よい音が響いた。「私からも、もう嫌がらせはやめていただきたいですね。それに、秋山の叔父さんを殴った件についても、徹底的に追及させていただきます」

話しながら秋山心は福田のお婆様の傍まで歩み寄った。福田元は秋山心を見るや否や、体の痛みも忘れて近寄り、「心、どうしてここに?何か用事があるの?」と声をかけた。