350 合作を懇願する

「結構です」齋藤秘書の声は非常に冷淡だった。「今日は直接、内容証明を手渡すだけです」

「あなた...これはどういう意味ですか?」福田のお婆様は非常に驚いた。彼女は以前、福田隼人がセイソウリキと協力関係にあったため、今回の良い話が自分たち一家に巡ってきたと思っていたのに、なぜこのような状況になってしまったのだろうか?

齋藤秘書は更に説明を加えた。「内容証明の内容については皆様ご存知かと思いますが、セイソウリキグループで協議した結果、皆様との協力関係を全て終了することを決定しました。もちろん、あらゆる形式や意味での協力関係も今後一切ございません。内容証明を受け取ってから3日以内に、グループ本社で手続きを行っていただきますようお願いします」

「冗談じゃない!」福田鐵は怒鳴り声を上げた。やっとのことでセイソウリキとの協力関係を得られたというのに、今になって取り消すと言われては、彼らの一家にとってまさに青天の霹靂だった!

セイソウリキグループの助けがなければ、福田家はどうやって再起を図れるというのか。しかも今、市場で協力を求めてくる中小企業は皆、福田家に便乗して一儲けしようとしているだけだ。大企業との協力関係があってこそ、福田家の将来の発展が見込めるのに。

しかし今のセイソウリキの行動は、明らかに福田家を締め出そうとしているのだ。なぜだ!なぜ福田隼人は簡単にできたことが、彼らにはこんなにも難しいのか?

「齋藤秘書、一体これはどういうことでしょうか?なぜこのようなことに...セイソウリキは私たちの製薬会社に進出する予定だったはずなのに、なぜ今になって...私たちの協力関係は問題なく進むはずだったのに!」福田のお婆様は信じられない様子だった。

「我々の協力関係は福田隼人氏を基盤としていました。しかし現在、福田氏は福田グループを去られたと聞いております。我々と福田氏の建設グループとの協力関係以外に、ここにいらっしゃる皆様との協力関係を継続する必要はありません。達越に関しても、すでに皆様の手に戻っているため、これ以上の協力関係は必要ありません。さらに、我々の会長が加藤様に贈った別荘に手を出されたことで、会長も大変不快に思っております」