342 公衆の前で認める

「加藤恋!加藤恋!加藤恋!」

「すごい!愛人関係なんてクソくらえ、こんな実力者が後ろ盾なんて必要ないわ!」

「一戦成神――加藤恋!」

「すごい、興奮して止まらない、加藤――恋――」

高杉川は歓声に包まれた観客席の中で異質な存在のように、ステージ上の加藤恋を見つめ、長い間言葉を失っていた。

福田隼人も会場の雰囲気に感動し、妻のために立ち上がって声援を送った。加藤恋にはこんな一面があったのか、福田家が彼女の輝きを隠していたのだと気付いた。

「すごい!素晴らしい!さすが決勝戦のステージ、まさにハイレベルと言える。加藤恋の『望花』はテーマに完璧にマッチしただけでなく、今夜のパフォーマンスの基準を引き上げた!」竜川尚は賞賛を隠すことなく、この瞬間の加藤恋のパフォーマンスは称賛に値する!