「言葉?詩花?もう帰ったんじゃなかったの?」白井景の声が言葉の後ろから聞こえた。
二人は振り返って白井景を見つめ、言葉の目から涙が溢れ出した。「白井先生……」
詩花は気力を振り絞って駆け寄り、「福田隼人!あなたも福田隼人を見かけましたよね!彼はここにいますか?」
「気付かなかったけど、彼も今日のパーティーにいたの?」白井景は眉を上げ、ダンスフロアの中心で踊っていた人が加藤恋の夫に似ていたことを思い出した。
「恋が彼を探しに中に入ってしまったんです。白井先生が見かけたら必ず連絡してください。」
それを聞いた白井景の表情が一変した。「彼女、正気を失ったの?火の勢いがこんなに強いのに、今入るなんて。」
詩花は白井景の言葉を無視し、大声で叫んだ。「今夜のベストカップルを見た方はいませんか?見かけた方は教えてください。」