387 症状を補足する

中村亜梨香の言葉が終わると、張本教授は頷いて言った。「若い人は恐るべきですね。まさか、あなたのレベルもこんなに高いとは。私は確かに甲狀腺機能低下症で、今も積極的に治療中です。」

中村亜梨香は木野登の方を見て、続けて言った。「従兄さんの体に大きな問題はありませんが、一目見ただけで胃腸の調子が悪いのが分かります。下唇が腫れていて、最近便秘の症状もありますよね。この数日は水をたくさん飲んで、コーヒーやお茶、アルコール類は控えめにした方がいいです。」

「父の状態がこうなので、確かに私も緊張して水もあまり飲めていません。」木野登は苦笑いしながら、従妹が本当に実力があるようだと思った。

「そして、この看護師さんは、明らかに過労で、そのため睡眠の質が低下しています...」

中村亜梨香は、その場にいる全員の症状を一つ一つ指摘した。周りの反応を見る限り、すべて正確なようだった。

「まさか小瀧先生の指導がこれほど素晴らしいとは。中村先生は若いのに、もうこんなに醫術が優れているなんて!」

「さっきは中村医師が少し押しが強いと思いましたが、今となっては単に厳格なだけだったんですね。」

「まさか、君の漢方の腕がこんなに上がっているとは。」木野登は驚きながら、少し得意げな顔をしている中村亜梨香を見て、思わず褒めた。

「もちろん、もう一人いますよ!」最後に、中村亜梨香は加藤恋の方を向き、冷笑いながら言った。「福田奥様の症状はかなり深刻です。子宮が冷えていて、このまま続けると子供が産めなくなるかもしれません。」

加藤恋は彼女のでたらめには取り合わず、話題を変えて笑いながら言った。「まさか中村さんが三十歳そこそこで、漢方を六ヶ月学んだだけでこんな成果を出せるなんて。私も素晴らしいと思います。ただ、少し補足させていただきたい点があります。」

そう言って加藤恋は張本教授の方を向いた。「甲狀腺機能低下症というより、糖尿病の発症の方が心配です。それに、両手を骨折されたことがありますよね。もし間違いなければ、8年前の怪我だと思います。今は痛みはないかもしれませんが、このまま年を重ねていくと、また痛みを感じるようになるでしょう。」