384 彼女の実力

木野登は自信に満ち溢れ、小瀧武を崇拝の眼差しで見つめた。

中村亜梨香も当然得意げで、さりげなく加藤恋を一瞥し、自分の手法と腕前を誇示するかのようだった。

加藤恋は無表情で何も言わなかった。

実際、力加減と針の位置が正しければ、お爺さまがまだ目覚めないはずがない。

それに、中村亜梨香は全身汗だくで、顔には疲労の色が濃く出ていた。

残りは恐らく小瀧先生が完成させることになるだろう。小瀧先生の治療法は悪くないが、針を打つ位置が散漫すぎて、対症療法にしかならない。

そう考えると加藤恋は思わず眉をひそめ、ため息をついた。木野のお爺さまの状態は改善したように見えるが、表面に現れる変化は大抵意味がない。

木野のお爺さまの傷は内部にあり、手術で気血が虚し、さらに心臓の血流不足で多くの臓器が衰弱していた。小瀧先生の治療は効果があるものの、表面的な改善を維持しているだけだった。