384 彼女の実力

木野登は自信に満ち溢れ、小瀧武を崇拝の眼差しで見つめた。

中村亜梨香も当然得意げで、さりげなく加藤恋を一瞥し、自分の手法と腕前を誇示するかのようだった。

加藤恋は無表情で何も言わなかった。

実際、力加減と針の位置が正しければ、お爺さまがまだ目覚めないはずがない。

それに、中村亜梨香は全身汗だくで、顔には疲労の色が濃く出ていた。

残りは恐らく小瀧先生が完成させることになるだろう。小瀧先生の治療法は悪くないが、針を打つ位置が散漫すぎて、対症療法にしかならない。

そう考えると加藤恋は思わず眉をひそめ、ため息をついた。木野のお爺さまの状態は改善したように見えるが、表面に現れる変化は大抵意味がない。

木野のお爺さまの傷は内部にあり、手術で気血が虚し、さらに心臓の血流不足で多くの臓器が衰弱していた。小瀧先生の治療は効果があるものの、表面的な改善を維持しているだけだった。

今は顔色が良く見えても、この方法は虚症を抑え込んでいるだけで、再発すれば今日の手術での改善も台無しになり、その時には木野のお爺さまはもう手の施しようがないだろう。

そう思うと、加藤恋は突然笑い出し、首を振った。いわゆる名医とは、人を数日長く生かすだけのことだ。

「加藤恋!何を笑っているの?」目ざとい中村亜梨香は加藤恋の笑みを見つけるや否や大声で詰問した。

加藤恋は彼女を完全に無視し、即座に銀針の前に立ち、淡々と言った。「あなたは致命的な間違いを犯している。とても重要なツボを見落としている。」

そう言うと加藤恋は銀針を取り、刺した。動作は清潔で手際が良く、一針で老人は目を見開き、加藤恋が針を抜くまでそのままだった。

加藤恋の動作を見て、木野登と小瀧武の顔には驚きの色が浮かんでいた。本来なら止めようとしたはずだが、彼女の手法があまりにも熟練していたため、何も言わなかった。

むしろ、傍らの中村亜梨香が突然激怒し、思わず叫んだ。「この下賤な女!一体何をするつもり?叔父さんを殺さないと気が済まないの?」

加藤恋は冷静に言った。「木野のお爺さまはもともと体調が良くなかった。先ほどの心不全で他の臓器への血流も不足している。私は肝臓の気を巡らせ、体内のすべての血脈を活性化させた。そうしなければ、お爺さまは三日ももたない。」