377 本当に破産

二人が黙っているのを見て、藤田彰は険しい表情で言った。「木野さん、ご存知ないかもしれませんが、福田家はすでに福田隼人一家を追い出したんですよ!今の福田隼人には何の後ろ盾もありません。でも私は違います!我が藤田家は東京で一声かければ、加藤恋を完全に締め出すことができるんです。ですから、私たちと組むのが一番の選択肢だと思いますが。」

そう言いながらも、藤田彰は自分の会社の状況をまだ把握していなかった。彼は藤田家の資金繰りに問題が生じていることを木野登が知る前に、早急に契約を結びたかった。

藤田彰は横たわっている木野のお爺さまを一瞥し、心の中で罵った。くそっ!あんなボロを着た老人が木野登の父親だったなんて誰が想像できただろう。今この場で協力関係が結べるなら、あの老いぼれを父親と呼んでもいいくらいだ。