408 金糸と宝石

「このカードには一億二千万がちょうど入っています。今、私が買い取りましたので、お二人はお帰りになれます」加藤恋は手で案内するジェスチャーをした。

しかし、木村玄は加藤恋を一瞥した後、鈴木和の方を見た。鈴木和はそれを理解したようで、冷ややかに言った。「これはどういう意味だ？私を招いておきながら、私の目利きを疑うのか。もしこの商品を前もって予約していなかったら、こんな小銭のために私がここに来るとでも思っているのか？」

鈴木和の言葉を聞いて、須田透と福田嘉は困った表情を浮かべ、それまで須田透に得意げな表情を向けていた人々も、加藤恋が彼らの面目を潰したことを嘲笑わずにはいられなかった。

須田透は容赦なく加藤恋から渡されたカードを彼女に投げ返した。福田嘉は心配そうな表情を浮かべていた。一億二千万円だ。加藤恋はこの期間、相当稼いでいたようだ。後でなんとかしてこのカードを取り戻さなければならない。このお金があれば長い間使えるのに。

「私は間違っていません。なぜ詐欺師二人に謝らなければならないのですか？」木村玄と鈴木和が第二の詐欺を始めようとしているのを見て、加藤恋は彼らの正体を直接暴露した。

「詐欺師だって？須田透が高橋先生を招けるわけないと思っていたら、まさか詐欺師に会っていたなんて！」

「まさか、さっきまでは筋が通っていたように見えたし、私もネットで高橋の爺さんの身分情報を見つけたのに、これが詐欺師だなんて？」

「きっと加藤恋が見間違えたんだわ。彼女は以前、福田家で不平等な扱いを受けていたから、今は福田家が良くなるのを見たくないんでしょう」

木村玄がこの時口を開いた。「須田さん、あなたの運気が上がらない理由が分かりました。こんな人が家にいて常にあなたを抑え付けているのでは、良い結果になるはずがありません」

須田透は以前から自分に良い運がないと感じていた上に、高橋の爺さんの助手がタロットと占星術を少し知っているという噂を聞いていたので、今この男の言葉を深く信じていた。なんと加藤恋が彼の運気を押さえていたのだ。だからこそこの娘が今こんな高い地位を得たのか！

「今すぐ高橋の爺さんに謝れ。さもないと福田隼人に追い出してもらうぞ！」須田透は加藤恋を険しい目で見た。本来なら今日は金を稼げるチャンスだったのに、この加藤恋のせいで全てが台無しになった。