「なかなかいい品物だ。本物のフランス宮廷衣装で、強いロココトーンの特徴が見られる。それなりの価値はあるな」鈴木和は体を起こし、周りの人に聞こえるように大声で言った。
ロココトーン?加藤恋はその言葉を聞いた瞬間に顔を上げた。
夏川梅のアトリエで、加藤恋はオルレアン公爵政権時代とルイ16世時代から伝わるウェディングドレスを見たことがある。加藤恋の学習と理解によると、ロココトーンの衣装の顕著な特徴は優美で繊細であり、人体のラインの柔らかさを表現している。
このようなデザイン手法は、衣服に優美さと複雑さをもたらし、大胆な造形と鮮やかな色彩を多用して豪華でロマンチックな視覚効果を生み出す。
これらの衣装は現代の目で見ると確かに少し大げさだが、ロココトーンが好んで使用する白、金、ピンク、インディゴブルーとは全く異なり、これらの衣装の色はやや暗めだ。