423 彼女を追い出せ

「本当は片付けようと思ったんだけど、セイソウリキのプロジェクトが急いでいたから、仕事が終わったらすぐに来たんだ。皆さん、お邪魔して申し訳ない。今日の費用は私が持つよ」と言いながら、福田隼人は加藤恋の側に行き、椅子を引いて座り、彼女の手を優しく握った。

「さっきの言葉はどういう意味?」指原霞は福田隼人を見つめながら、急に声を小さくし、さらに少し恥ずかしそうな様子を見せた。それを見た小林雪は何か違和感を覚えた。

「夏川晴海が私の妻を傷つけた件については追及するつもりはなかったんだが、あの女は全く反省の色を見せなかった。だから彼女のスキャンダルを掘り起こしてメディアに提供したんだ。そんな人間は芸能界で働く資格はない」

指原霞は福田隼人を見つめ、明らかに心を奪われたような様子だった。加藤恋がこんなに運が良いなんて思いもしなかった。この福田隼人はあまりにもかっこよすぎる!

汚れた姿をしているにもかかわらず、その顔はまるでブラッド・ピットとレオナルド・ディカプリオを合わせたような容貌だった。

「私もさっきは軽く言っただけです。福田さん、そんなに気にしなくても」

小林雪は指原霞の心中を見抜き、すぐに立ち上がった。「何してるの?そんな腫れた顔で、まだこんなくだらない話をしている暇があるの?早く傷の手当てに行ったほうがいいんじゃない?」

指原霞はまだ福田隼人ともっと話したかったが、小林雪にそう遮られてしまい、どうやって話題を続ければいいのか分からなくなってしまった。

指原霞は加藤恋を睨みつけた。福田隼人が座ってからというもの、彼の視線は加藤恋から離れることがなかった。

簡単な挨拶を交わし、昼食を済ませた後、同窓会は解散となった。そのとき、加藤恋の携帯電話が爆発するかのように鳴り始めた。

須田透からの電話だと分かり、加藤恋はようやく小沢様が到着したのだろうと思い出した。

福田隼人もこの件について知っており、本来なら加藤恋に関わってほしくなかったが、彼女が既に須田透と約束してしまっていたため、ただ安全に気をつけるよう言うだけだった。

オフィスでは、小沢様の秘書である鈴木毅が既に座っており、その前には男女一人ずつ、小沢勧の遠い親戚の崎本邦夫と指原霞が座っていた。