576 石川直を捕まえる

「すごい！凄すぎる！この凄腕は誰だ！」

「一体どういうことだ、我が社にこんな凄い人がいたのか？」

加藤恋はグループチャットの爆発的な反応を見て微笑み、メッセージを送信した：「うん、6倍のレバレッジをかけたわ。本当は10倍にしようと思ったけど、今は6倍で十分よ」

自分の資金を引き出し、残りの利益は全て会社に投資し直した。

「こんにちは、セイソウリキへの入社を心よりお誘いさせていただきます！先ほどの一日で百万円の利益を上げる手腕には本当に驚かされました！」

「正直に言うと、私もレバレッジを使おうと思ったんですが、会社から割り当てられた額が足りなくて」

「一日で百万円の利益、相手側はかなりのショックを受けたでしょうね！」

……

凄腕どころではない。加藤恋は唐沢行から送られてきたメッセージを見つめながら、この件について様々な考えを巡らせていたが、まさかこの事態を引き起こした人物が石田一葉だとは思いもよらなかった！

彼女は唐沢行に、この数日間にセイソウリキに接触してくる人物に注意するよう伝えていた。投資であれ提携であれ、全て問題があると考えていたが、今回の件の首謀者が彼だとは予想外だった。

海外での出来事も彼と無関係ではないようだが、自分の身元がまだ明らかになっていないのに、なぜ石田一葉は突然セイソウリキを標的にしたのだろう。

加藤恋はこの件について考えると鳥肌が立った。彼女の身元がまだ露見していない段階でこれほどの事態が起きているのだから、もし身元が明らかになれば、その結果は想像を絶するものになるだろう。

石田家の人々がこんなに早く動き出すとは思わなかった。加藤恋も心の中で密かに計画を立て始めた。

今のところ、あの石川直がどれほどの実力を持っているのか、どうしてこれほど長い間証言を避け、福田隼人をこのような窮地に追い込んでいるのか、見極めたいところだ！

手元の仕事を急いで片付けると、加藤恋は直接車を走らせ、橋本様から送られてきた住所へと向かった。

その時、石川直は既に地面に押さえつけられ、必死にもがいていた：「何をする！警告するが、私は久保田家のお嬢様の秘書だぞ。気をつけろ、お前たち、よくもこんな真似を！」

加藤恋は彼の叫び声を聞きながら、思わず軽く笑った。やはりこういうことを何度もやっていると、心も落ち着いてくるものだ。